温泉リゾート

足元に広がる田んぼの風景と背景の山。里の漢字が田んぼと土でできていることに、妙に納得できるような立地が北鎌倉にはわずかに存在します。

偶然、田んぼにまつわる物件が最近私のところに集まってきていますが、鎌倉で田んぼはめずらしいのです。鎌倉野菜から農家さんのイメージはあるかもしれませんが、畑は多いのですが、田んぼはめずらしい。

この家はその借景を上手に取り込んだ計画になっています。のどかな田園風景の先の山裾部分に位置し、室内からは数多くのデッキを配し、田んぼの黄金の絨毯を望む空間がリビングと連続し、そして山へと続いていきます。

また、玄関から建物内部に入るとすぐに中庭となり、内部と外部が柔らかく融合しながら連続し、この空間体験が田んぼや山裾の借景を自分のものに感じさせてくれます。

空間は横方向の連続から縦方向へも広がり、居間空間では大きな吹き抜けと共に床が掘り込まれ、包み込まれる感覚を与えてくれます。その裏手にある台所も一部床が下がっているので、互いの目線が離れすぎず、なんとなく相手が目に入る高さになります。キッチンの天板はそのまま掘りごたつ式のダイニングテーブルへと連続し、インテリアも建築の一部となり、ここでも連続した空間がつくり出されています。ここの目線はお互いの目線が揃う高さ。

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